11月2日、Amazonの日本戦略のニュースが飛び込んできました。
まるで今話題のTPPのようなAmazonの態度。
なかなか興味深い記事ですので是非ご一読をお勧めします。
今回はニュースの内容はともかく、EPUBをKindleで読んでみようというお話です。
まずは前回の電子書籍の話題。
読者の方から『azw ファイルは mobi + DRMであって epub + DRMではない』とご指摘をウケました。これは読者の人の主張のとおりです。
epub2にも対応していないのも読者の方の主張の通り。
しかしながらAmazonは epub から mobi への変換プログラムを用意しています。
このソフトの精度が確かなものならばKindleはepubに対応しなくても epub → mobi → azw という変換が可能になります。
Kindle Genというソフトがそれ。
このソフト、実際にはepub変換を目的にしたものではなく、
1目次ファイル(index.html) 2目次定義ファイル( toc.ncx) 3書籍情報ファイル(書籍名.opf) 4カバーファイル(jpgやgif等) 5本文(書籍名_XXX.html)
という5種のファイルをmobiファイルに変換するのが目的のソフトです。
で、このファイル構造がepubと同じ。
厳密に言うとepubではxhtmlファイルを使いますが、内容は大差ありません。
この5種類のファイルからのmobi制作はまた別に記事にしたいと思います。
という訳で今回はepubからmobiへの変換に挑戦してみました。
上記のリンクよりxhtmlをお借りしepub向けにタグを一部変更やcssを新たに追加して作成したものが下の画像。
今回はepub3の練習も兼ねSigilではなくFUSEeのベータ版を使用しました。
今回敢えてFUSEeを選択したのはSigilで製作したものではespurでページ送りがおかしくなることと、Adobe Digital Editionsで見た時に文字化けが発生する為です。
回避する方法もあるのでしょうが、FUSEeの試用も兼ねてw
Kindle Genをダウンロードします。
ダウンロード先は上記のリンクから。
ページ中央にKindle Genのダウンロードボタンがありますので、環境に合わせてダウンロードします。
Kindle GenはWindows環境ではインストールの必要はありません。任意の場所に解凍してフォルダを開きます。
epubを変換する場合はkindlegen.exeにドラッグドロップするだけ。(本当はコマンドを使うのですけど、ドラッグドロップで使えるのでw)
epubファイルに問題がなければコマンドプロンプトが立ち上がり変換を始めます。
変換されたmobiファイルはepubファイルのあるディレクトリに保存されます。
Kindleでの表示は上記の通り。
まだ正式に日本語は未対応のようで縦組みは表示されません。しかし文字化け等は見当たりませんでした。
あと、ルビは漢字の後ろに()で表示されます。これを見るとkindleのベースが何か、想像が付きそうです。
(ちなみにブラウザではルビ表示が()で表現されるのはFireFoxとOpera。ブックリーダーはどれもHTML系のハイパーテキストを使用していますのでベースになるブラウザ(厳密にはハイパーテキストリーダ)が存在します。ちなみにepubはGoogle ChromeやSafariのベース、Webkitです。)
詳しく見てみると色々問題点もありそうです。
まず行間。
私の場合、epubを製作する際の文字指定は全て相対サイズ(em)を使用しています。
これは、拡大・縮小した際を考えてのこと。行間についてもemを使用しています。
cssでは%指定もできるので、指定方法を色々変えてみる必要がありそうです。
上部がむやみに開くのはepub3の指定で上部に空きをもたせたため(margin-topの指定をしています)。このあたりもCSSの修正で解決しそうです。
横書きで作ったepubは行間以外は問題なく表示されました。
もう一点、目次について。これは変換対応しているようですが完全ではないようです。
明言できないのは今回使ったFUSEeがベータ版のため目次編集が出来なかったためです。
出来上がったファイルをSigilで開いて目次処理をしたあと再度mobiに変換したのですが正確には表示されませんでした。
ただ、表紙と内容は認識しているので、この点は再検証が必要です。
さて、今回試してみての結論。
AmazonにはEPUB対応を求める声があるようですが、自炊レベルならKindle Genで十分ですし、商用利用する場合epub内のファイル構成をほぼそのまま利用できることを考慮するとkindleのepub対応は必要ないのかなと思えます。
epub制作したものをmobiにすることは難易度も低くそれほど経費のかかることではないようです。
ここで1つ紹介。ご存知とは思いますが。
kindle向けのコンテンツはKindleデバイスだけでなくMac、WindowsのPCはもちろん、Android、WindowsPhone、iPhone、iPad等あらゆるデバイスで利用することができます。
ちなみにダウンロードはコチラから。
しかも一度購入したコンテンツは同一ユーザーのどのプラットフォームでも利用が可能。
以前このブログでSharpに同じ事をしたほうがいいのではと書きましたが、Amazonは日本の考える電子書籍のあり方の、遥か彼方を進んでいるようです。
今回のニュースにあった強気な態度もある意味納得ですね。
最後に今回製作したコンテンツをアップしておきます。
epub版とmobi版です。いきなりダウンロードが始まりますのでご注意下さい。
尚、このファイルは検証用に適当に作ったもので作りも雑ですし5章までしか作っていません。
作成データに対するお叱り等の批判は受け付けませんのであしからずですww
あ、ブログに対するご意見はどんどん書き込んでくださいねw